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| 2004年度 演習V(一福) |
天田城介(AMADA Josuke)
最終更新日:2005.03.29
【講義日時】
演習V 月曜日3時限 116C教室
【講義資料】
随時レジュメを配布しています。
【卒業演習参加メンバー】(名簿順)
愛甲紋巳、川添康太、久保静加、菖蒲文彦、高田沙織、恒崎結花、野中知佳、水元未来、躯川明知、隈元俊宏、西原万紀、原美幸、前田絵里奈、松本正明、宮城朋子、上窪由佳、倉岡大樹、幸山優美、水無瀬翔司、迫田裕美、進純子、友枝瞳、堀内陽子、向井亜優美、山田春輝
【演習V報告書】
あと僅かですが、残部があります。希望の方は天田までメールをください。
【概要】
未曾有の高齢化を特性とする現代日本において老人福祉の領域を中心にして福祉制度や福祉政策は大きく変容しつつあり、こうした劇的な変容を遂げつつある老人福祉の現状の中で、現実にケアサービスを利用しつつ、病や障害や痴呆を抱えて生きる人々はいかなる意識をもち、自らのアイデンティティを保持しているのか、あるいはその家族成員 (特に介護する家族成員) は福祉サービスに対してどのような意識を抱えつつ、過酷な家族介護の状況おいて自分のアイデンティティを維持しているのかを、家族規範、ジェンダー、セクシュアリティなどの視点から考察することを本演習の目的とする。
特に本演習では介護する側/介護される側といった両者を明確に分けてしまうサービス・オリエンティッドな視点からではなく、介護する側も介護される側もともに自らの状況の中で関係を作り、保ち、変えていく存在であることを前提にした上で、そこでの当事者である高齢者や障害者ならびに家族成員やケア従事者のアイデンティティまでも照準した分析を行う。
換言すれば、本演習では、〈老いを生きること〉〈障害を生きること〉を単に老い衰えてゆく当事者、あるいは障害を持つ当事者の身体に帰属・完結する個別的な現象として理解するのではなく、当事者のアイデンティティの側面、すなわち「当事者性」を照射していきたい。
以上を前提にした上で、本年度の演習のテーマは、「当事者論」「(非)援助論」「専門職論」に照準をあわせて、それを批判的に考察し、研究を遂行する予定である。
本演習では、はじめにそれぞれの問題意識・研究関心を発表してもらい、それに基づいて複数のグループ分けを行う。次いで、研究のための資料・文献の収集と解析の方法について説明した上で、各グループごとに関連する文献を講読し、レジュメを作成して発表を行う。一定量の文献を読み終えた後、各グループで研究テーマを設定した上で、インテンシブなフィールドワークを実施してもらう予定である。
最終的には、まとめた結果を報告し、全体で論議してもらう予定である。年度末にはこのフィールドワークの結果はゼミ報告書として完成・報告してもらい、再度全体で議論してもらう予定である。
私の演習は、年数回の施設見学と体験学習に加えて、実際にテープレコーダーを片手に相当緻密でハードな調査を実施してもらいますので、参加する学生にはそれぞれに明確な問題意識・研究関心を持った上での主体的なコミットメントを要求します。
●成績評定の方法:出席、演習課題への取り組みと発表内容、レポートで評定を行う。
●テキスト:特定のテキストは使用せず、適宜プリントを配布する。
●参考文献:参考文献は講義中に随時紹介する。
2004年度演習V(天田ゼミ)報告書
独立行政法人福祉医療機構高齢者・障害者福祉基金助成事業「『通所介護拠点』整備によるまちづくり支援事業」学生ワーキンググループ調査報告書
地域において老いや障害や病を生きるということ
――「市民自治」に向けての離陸――
●2005年3月
●刊行にあたって
本報告書は、2004年度熊本学園大学社会福祉学部第一部社会福祉学科3年次科目である「演習V」(天田城介担当)を履修した学生たちが自らの関心に沿って思考した成果をまとめたものである。また、本報告書は、「『通所介護拠点』整備によるまちづくり支援事業」を独立行政法人福祉医療機構高齢者・障害者福祉基金助成事業として受託した社会福祉法人リデル・ライト記念老人ホームが中心となって遂行した調査事業の一つである学生ワーキンググループ調査報告書として刊行したものである。したがって、今年度の演習における調査は、当該事業の事務局を務めた社会福祉法人リデル・ライト記念老人ホームならびに当該事業を実施するために構成された「『通所介護拠点』整備によるまちづくり支援事業実施委員会」との協働作業(コラボレーション)によって遂行された。事務局の方々ならびに実施委員会の方々には一方ならぬご厚意にあずかりましたことに心より御礼申し上げます。
本年度の演習Vは、「地域」が呪語(マジックワード)として喧しく叫ばれる中、往々にして「地域とは何か?」を問わずして分かったことにしてしまう/分かったつもりになってしまう、重要だが危ういこの言葉の本質を問い直し、「地域で老いや障害や病を生きるということ」の意味を再定位すること、またそれらを「市民自治」という視点・発想から考究することを最大の目的とした。本調査においては、K商店街の周辺地域(S校区/J校区)に照準化した上で、エリア・スタディ的手法を用いつつ、各グループのテーマを多角的・重層的に分析するように努めた。その意味では、上記の事業調査と連動した構成になっていると言える。
実際の演習は以下のように進めた。春学期では、それぞれの問題意識・研究関心の発表に基づいて複数のグループ分けを行った上で、研究テーマに関する資料・文献を渉猟した。
秋学期においては、夏期休業中に行った施設見学と体験学習を踏まえた上で、全体で何度も議論を重ねて研究計画を精緻化する作業を行った。また9月〜11月にかけては当該事業の調査員として、@高齢者の購買行動調査、A購買高齢者への訪問インタビュー調査、B高齢者地域包括調査の3つのハードな調査に参加しながら、同時平行的に、グループごとに各グループのテーマに即したインテンシブなフィールドワークを遂行した。実際のグループ調査では相当に緻密でハードなフィールドワークを幾度となく実施し、そこで収集したデータをグループごとに何度も分析をし、あれこれと討議しながら解釈を与えていった。こうした大変しんどい一連の作業を通じて完成した成果が本報告書となる。
本年度の演習Vも例年のように相当にハードなゼミであったと思う。きっと履修した多くの学生の皆さんは「なんて過酷なゼミなのか!」と憤慨したことだろう。たが実際には、学生の皆さんは必死になって多くの人の声に耳を傾け、心を向け、私のきわめて高度な要求に対して、私が期待していた以上の応答をしてくれた。その意味で、私は皆さんを常に信頼してきたし、その思いはこの一年を通じて更に深いものとなった。記して感謝したい。
最後に、大変厚かましく図々しい学生のフィールドワークにご協力してくださった皆様にはこの場を借りて厚く御礼とお詫びを申し上げます。調査にご協力いただいた皆々様から本報告書への忌憚のないご意見・ご批判をいただければ光栄の至りです。
労を厭わず報告書の編集作業を行った進純子さん、宮城朋子さんに心より感謝したい。
●2005年3月
●天田城介
目次
刊行にあたって
第一章 在宅ケアと施設ケアの比較と検討……………………………………………………………7
(愛甲紋巳・前田絵里奈・恒崎結花・堀内陽子・久保静加・水無瀬翔司・松本正明・隈元俊宏)
はじめに………………………………………………………………………………………………7
研究の目的と意義……………………………………………………………………………………7
調査方法………………………………………………………………………………………………7
第1節 介護とは………………………………………………………………………………………8
(1)介護の目的
(2)多様な介護の概念
第2節 在宅サービスのあり方………………………………………………………………………9
(1)在宅介護とは
(2)在宅介護の日常ケア
(3)在宅介護サービス
(4)地域とのつながり
(5)職員が気を使うこと
(6)サービスを利用するにあたって
(7)サービス利用者について
(8)課題と改善したいこと
(9)分析
第3節 施設サービスのあり方………………………………………………………………………12
(1)施設介護とは
(2)施設介護の日常ケア
(3)施設介護サービス
(4)地域とのつながり
(5)職員が気を使うこと
(6)サービスを利用するにあたって
(7)施設利用者について
(8)課題と改善したいこと
(9)分析
第4節 在宅ケアと施設ケアの比較検討……………………………………………………………16
(1)在宅介護におけるメリット
(2)在宅介護におけるデメリット
(3)施設サービスによるメリット
(4)施設サービスによるデメリット
第5節 まとめ…………………………………………………………………………………………18
第二章 施設と在宅におけるサービスの現状と課題…………………………………………………20
(迫田裕美・幸山優美・原美幸・西原万紀・向井亜優美・友枝瞳)
はじめに………………………………………………………………………………………………20
研究の目的と意義……………………………………………………………………………………20
調査方法………………………………………………………………………………………………20
第1節 高齢者施設サービスの問題と課題…………………………………………………………21
(1)施設における歴史と背景
(2)介護保険の制度的課題と問題点とは
(3)要介護認定とは―ケアマネジメントについて
第2節 高齢者在宅サービスの問題と課題…………………………………………………………28
(1)在宅サービスにおける歴史と背景
(2)在宅サービスの問題と課題
第3節 変化し続ける高齢者サービス………………………………………………………………31
(1)新型特養誕生の背景
(2)グループホームの現状と課題
(3)小規模多機能ホームの現状と課題
第4節 経験を通して考えたこと……………………………………………………………………37
(1)当事者の視点から
(2)高齢者にとってよりよい生活、在宅・自立生活に向けて
第5節 まとめ…………………………………………………………………………………………39
第三章 障害を持つ当事者が自立生活を送るためには―地域で暮らす意味………………………40
(水元未来・山田春輝・高田沙織・菖蒲文彦)
はじめに………………………………………………………………………………………………40
研究の目的と意義……………………………………………………………………………………40
調査方法………………………………………………………………………………………………40
第1節 Yさんが地域で自立生活をするために………………………………………………………41
(1)脳性麻痺
(2)生涯歴の経過
(3)利用しているサービス・制度・ボランティアなど
(4)K市におけるK商店街付近との関わり
第2節 Sさんが地域で自立生活をするために………………………………………………………46
(1)網膜色素変性症
(2)生涯歴の経過
(3)利用しているサービス・制度・ボランティアなど
(4)K市におけるK商店街付近との関わり
第3節 分析・考察……………………………………………………………………………………50
第4節 まとめ…………………………………………………………………………………………54
第四章 「個性」を持った子どもたち……………………………………………………………………67
(川添康太・倉岡太樹)
はじめに………………………………………………………………………………………………67
研究の目的と意義……………………………………………………………………………………67
調査方法………………………………………………………………………………………………67
第1節 地域の必要性…………………………………………………………………………………68
第2節 地域での福祉施策……………………………………………………………………………70
(1)児童相談所
(2)社会福祉協議会
(3)保育園・幼稚園
(4)その他の機関
(5)考察
第3節 障害を持った子どもとその保護者の生活―世界にも目を向けながら……………………75
第4節 まとめ…………………………………………………………………………………………79
第五章 高齢者を取り巻く環境………………………………………………………………………81
(上窪由佳・躯川明知・進純子・野中知佳・宮城朋子)
はじめに………………………………………………………………………………………………81
研究の目的と意義……………………………………………………………………………………81
調査方法………………………………………………………………………………………………81
第1節 在宅で暮らす高齢者…………………………………………………………………………82
(1)高齢者人口構成等の現状
(2)余暇の過ごし方
(3)担い手として存在する高齢者
第2節 民生委員と高齢者……………………………………………………………………………84
(1)民生委員とは
(2)民児協とは(民生委員・児童委員協議会の略称)
(3)選任方法
(4)活動の目的と基本的性格
(5)活動の基本
(6)配置基準
(7)K県K市S校区の民生委員の話
第3節 地域をめぐるバリアフリーと問題……………………………………………………………87
(1)アメリカのバリアフリーの現状
(2)K市のバリアフリーへの活動
(3)アミューズメント・バリアフリー
第4節 社会保障制度………………………………………………………………………………89
(1)介護保険制度
1.県の利用者数・利用状況
2.介護保険制度の問題点
(2)医療保険制度
1.K県の老年人口
2.医療保険制度の問題点
(3)年金制度
1.K県の受給者数
2.年金制度の問題点
第5節 まとめ…………………………………………………………………………………………95
【年間スケジュール】
第01回(04月19日) 自己紹介、講義概要の説明、今年度の予定、文献紹介
第02回(04月26日) 各自の関心の研究テーマを発表/ブレインストーミング
●休日(05月03日) (GW中に各自の関心の研究テーマを再度まとめておくこと)
第03回(05月10日) 加齢擬似体験とグループ別ディスカッション
第04回(05月17日) 加齢擬似体験とグループ別ディスカッション
第05回(05月24日) 各自の関心の研究テーマを発表/グループ別ディスカッション
第06回(05月31日) 小規模多機能サービス拠点論についての講義/子飼調査の概要説明
第07回(06月07日) 子飼調査のグランド・デザインの検討(KJ法)
第08回(06月14日) 子飼商店街の見学/グループごとに検討(KJ法)
第09回(06月21日) 子飼商店街の見学/グループごとに検討(KJ法)
●休講(06月28日) 休講にさせてください。
第10回(07月05日) 子飼調査のグランド・デザインの検討/グループごとの調査計画の決定
第11回(07月12日) 夏期休業中の研究計画と調査概要の決定
◆見学(07月31日) 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園を見学
◆調査(09月10日) サンリブ子飼橋店で高齢者の購買行動調査
◆参加(09月22日) 第5回「通所介護後拠点」によるまちづくり支援事業委員会(於:わくわくランド)
◆見学(09月23日) 小規模多機能サービス拠点の見学)
◆調査(09月下旬) 地域の高齢者への参与観察調査
◆調査(10月中旬) 包括型地域調査(碩台・城東校区の高齢者の調査)
第12回(09月27日) 子飼調査の報告/グループごとに調査方法の確定
第13回(10月04日) 子飼調査の報告/グループごとに調査方法の確定
●休日(10月11日) (各グループごとに子飼調査と各自の調査を検討すること)
第14回(10月18日) 子飼調査の報告/グループごとに調査方法の確定
第15回(10月25日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
第16回(11月01日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
●休講(11月08日) 詫麻祭のため休講です。
第17回(11月15日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
●休講(11月22日) (最終報告書を作成してください)
第18回(11月29日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
第19回(12月06日) 各グループの最終報告(レジュメにて発表)
第20回(12月13日) 各グループの最終報告(レジュメにて発表)
第21回(12月20日) 各グループの最終報告(レジュメにて発表)
●休日(01月10日) 各グループの最終報告(レジュメにて発表)
第22回(01月17日) 最終報告書の提出
◆締切(02月05日) 報告書原稿の最終締め切り
◆刊行(03月上旬) 報告書の完成・配布
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