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| 2002年度 演習V(一福) |
天田城介(AMADA Josuke)
最終更新日:2004.12.23
【講義日時】
演習V 月曜日3時限 113C教室
【講義資料】
随時レジュメを配布しています。
【演習V参加メンバー】(名簿順)
大嶌美貴・二川俊雄・河添信二・真崎千絵・松村圭子・吉田敦子・池淵由香・小佐井裕美・下田佳奈・園田真希子・高村起梨子・田代路治・福吉愛子・山田恭子・江村香子・藤内倫・永山憲吾・松岡里佳・井上貴裕・松原陽子・村上綾・吉谷剛・吉牟禮綾子・塚本真弓・江藤信介・宮原保幸
【演習V報告書】
あと僅かですが、残部があります。希望の方は天田までメールをください。
【概要】
未曾有の高齢化を特性とする現代日本において老人福祉の領域を中心にして福祉制度や福祉政策は大きく変容しつつあり、こうした劇的な変容を遂げつつある老人福祉の現状の中で、現実にケアサービスを利用しつつ、病や障害を抱えて生きる高齢者はいかなる意識をもち、自らのアイデンティティを保持しているのか、あるいはその家族成員(特に介護する家族成員)は福祉サービスに対してどのような意識を抱えつつ、過酷な家族介護の状況おいて自分のアイデンティティを維持しているのかを、家族規範、ジェンダー、セクシュアリティなどの視点から考察することを本演習の目的とする。
特に本演習では介護する側/介護される側といった両者を明確に分けてしまうサービス・オリエンティッドな視点からではなく、介護する側も介護される側もともに自らの状況の中で関係を作り、保ち、変えていく存在であることを前提にした上で、そこでの老いゆく当事者である高齢者ならびに家族成員やケア従事者のアイデンティティまでも照準した分析を行う。換言すれば、本演習では、〈老いゆくこと〉を単に老い衰えてゆく当事者の身体に帰属・完結する個別的な現象として理解するのではなく、ケアワークを媒介にしてそれぞれの成員のアイデンティティを変容させる出来事として照射していきたい。明確な問題意識・研究関心を持った主体的な受講を期待したい。
本演習では、はじめにそれぞれの問題意識・研究関心を発表してもらい、それに基づいて複数のグループ分けを行う。次いで、各グループごとに関連する文献を講読し、レジュメを作成して発表を行う。一定量の文献を読み終えた後、各グループで研究テーマを設定した上で、フィールドワークを実施してもらう。このフィールドワークの結果は最終的にまとめた報告書として完成・報告し、全体で議論してもらう予定である。
●成績評定の方法:出席、演習課題への取り組みと発表内容、レポートで評定を行う。
●テキスト:特定のテキストは使用せず、適宜プリントを配布する。
●参考文献:参考文献は講義中に随時紹介する。
2002年度演習V(天田ゼミ)報告書
老いとケアの現在
―ケアをめぐる関係性への照準―
●2003年3月
●刊行にあたって
本報告書は、2002年度熊本学園大学社会福祉学部第一部社会福祉学科3年次科目である「演習V」(天田城介担当)を履修した学生たちが自らの関心に沿って思考した成果をまとめたものである。本年度の演習Vは、未曾有の高齢化を特性とする現代日本において高齢者福祉の領域を中心にして制度や政策は大きく変容しつつあり、こうした劇的な変容を遂げつつある高齢者福祉の現状の中で、現実にケアサービスを利用しつつ、病や障害を生きる当事者はいかにして自らのアイデンティティを保持しているのか、あるいはその老い衰えゆく当事者を介護する家族(特に介護する家族成員)やケア労働者はケアサービスに対してどのような意識を抱えつつ、過酷な家族介護の状況おいて自分のアイデンティティを把持しているのかを、「制度」「家族規範」「ジェンダー」「セクシュアリティ」などの視点から考察することを目的とした。特に、本年度は、様々なケアの場において作り出されているケアをめぐる「関係性」に照準化した上で、〈老い〉と〈ケア〉の現在を多角的・重層的に分析するように努めた。
学生が選択したテーマとしては、「公営住宅に居住する当事者と他者との関係性」「在宅介護における当事者と介護者の関係」「在宅介護における当事者とケアマネージャーとホームヘルパーの関係性」「在宅介護における当事者とヘルパーとボランティアの関係性」「小規模ケアの場における当事者とケアワーカーの関係性」ときわめて多岐にわたるが、それぞれが独自の分析を行い、各グループで積極的に議論しながら収集したデータに解釈を与えていった。
実際の演習は以下のように進めた。前期(春学期)では、はじめにそれぞれの問題意識・研究関心を発表してもらい、それに基づいて複数のグループ分けを行った上で、研究テーマに関する資料・文献を渉猟した。次いで、各グループごとに調査計画書を作成して発表を行い、後期に実施するインテンシブなフィールドワークへの準備を着実に進めた。
後期(秋学期)においては、夏期休業中に行った施設見学と体験学習を踏まえた上で、全体で何度も議論を重ねて研究計画を精緻化する作業を行った。そして、10月からはテープレコーダーを片手に相当に緻密でハードなフィールドワークを幾度となく実施した。こうしたフィールドワークによって収集したデータをグループごとに何度も分析をし、そしてあれこれと議論をしながら解釈をしていった。こうした一連の作業を通じて完成した成果が本報告書となる。
本年度の演習Vは、今から思えば、相当にハードなゼミであったと思う。きっと履修した多くの学生さんは、演習が開始した4月の段階で「このゼミを選択したのは大学での最大の失敗だ!」と痛感したのではないだろうか。私は今年一年、学業やアルバイトや実習で多忙を極める学生の皆さんに常に「書を持って町に出ろ!」と繰り返し叫び続けていたような気がする。学生の皆さんには気の毒であったような気もするが、学生の皆さんは、必死になって当事者の声に耳を傾け、心を向けていたし、私のきわめて高度な要求に対して、私が期待していた以上の応答をしてくれた。その意味で、今年の演習Vは私にとって忘れられぬ経験になるであろう。
最後に、大変厚かましく図々しい学生のフィールドワークにご協力してくださった皆様にはこの場を借りて厚く御礼とお詫びを申し上げます。調査にご協力いただいた皆々様から本報告書への忌憚のないご意見・ご批判をいただければ光栄の至りです。
なお、労を厭わず報告書の編集作業を手伝ってくださった塚本真弓さんに心より感謝したい。
●2003年3月
●天田城介
目次
刊行にあたって
第一章 公営住宅に居住する高齢者と他者との関係性分析
(江藤信介・河添信二・宮原保幸・福吉愛子・松岡里佳)
1.関心の所在
2.主題の設定
3.研究の目的と意義
4.調査方法
5.事例の研究
6.まとめ(今後の高齢者福祉について)
第二章 在宅介護における社会認識と介護者・被介護者の意識
(池淵由香・井上貴裕・園田真希子・田代路治・塚本真弓・山田恭子)
1.関心の所在
2.主題の設定
3.研究の目的と意義
4.調査方法
5.結果・考察
6.まとめ
第三章 在宅介護におけるケアマネージャーとホームヘルパーと利用者の三者の関係
(江村香子・永山憲吾・村上綾・吉牟礼綾子)
1.関心の所在
2.主題の設定
3.研究の目的と意義
4.調査方法
5.結果・分析
6.考察
7.まとめ(提言)
第四章 利用者から見たヘルパーとボランティアの相違点とその使い分け
(大島美貴・小佐井裕美・真崎千絵・松村圭子・吉田敦子)
1.関心の所在
2.主題の説明
3.考察
4.まとめ
第五章 少人数ケアを受けている高齢者とサービスを提供する職員の意識
(吉谷剛・高村起梨子・松原陽子・下田佳奈)
1.関心の所在
2.主題の設定
3.研究の目的と意義
4.研究方法
5.結果・分析
6.全体の考察
7.まとめ
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