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| 2005年度 入門演習(二福) |
天田城介(AMADA Josuke)
最終更新日:2005.03.20
【講義日時】
入門演習 春学期 月曜日後時限 114E教室
【講義資料】
随時レジュメを配布しています。
【入門演習参加メンバー】(名簿順)
未定
【入門演習報告書】
●9月に発行します。質問等は天田までメールをください。
【概要】
本演習では、日々の営みにおいていかにして私たちは差別をしているのか、あるいは私たちはいかにして差別を被っているのか、そしてその差別/被差別経験をどのようにして語っているのかについて考察することを通じて、「差別」を可能たらしめている構造とその社会的機制について探求することを本演習の目的とする。したがって、私たちの日常生活世界における差別/被差別をめぐる「人々の方法ethno methods」を解読することを最大のねらいとしている。
私たちの日常生活は他者との会話やふるまいを通じて成立しているのだが、そうした状況で人々がいかなる方法によって「差別/被差別」という〈現実〉を作り出しているのかを微細に解読してゆこうとする立場に立った上で、そうした「差別/被差別」という〈現実〉が自己と他者のあいだで取り交わされる会話や行為を通じて、いかにして「差別」として人々に見做され、解釈されてゆくのか―あるいは「差別」とは見做されず、解釈されていかないのか―、またそうした発話や行為の積み重ねによっていかなる〈現実〉が作り上げられてゆくのかを照射するものである。本演習では、具体的事例を読み解きながら、そうした「日常性批判」的な思考とその実践的可能性を解説する。
具体的には、性差別、同性愛嫌悪、人種差別・民族差別、階級差別、年齢差別、障害者差別、病者差別、ハンセン病差別、優生思想を取り上げ、例えばハンセン病当事者やHIV患者の語りを聴くことを通じて、あるいは在日コリアンの当事者とともに考えることを通じて、あるいは障害や難病を生きる当事者と積極的に議論することを通じて、更には自らが被ってきた性差別や異性愛主義による抑圧をあれこれと考えあぐねることを通じて検討することにしたい。
いずれにしても、自らの関心に応じて自発的な研究を期待するものであるから、明確な問題意識・研究関心を持った主体的な参加を期待したい。
本演習では、はじめにそれぞれの問題意識・研究関心を発表してもらい、それに基づいて複数のグループ分けを行う。次いで、研究のための資料・文献の収集と解析の方法について説明した上で、グループごとに関連する文献を講読し、レジュメを作成して発表を行う。一定量の文献を読み終えた後、各グループで研究テーマを設定した上で、文献研究を中心にした調査研究を実施してもらう予定である。最終的には、まとめた結果を報告し、全体で議論してもらう予定である。学期末にはこの調査研究の結果は「ゼミ報告書」として完成・報告し、更に全体で議論してもらう予定である。私の演習は、多くの人たちに出会い、また参照すべき数多くの資料や文献をレヴューしてもらいますので、参加する学生にはそれぞれに明確な問題意識・研究関心を持った上での主体的なコミットメントを要求します。
●成績評定の方法:出席、演習課題への取り組みと発表内容、レポートで評定を行う。
●テキスト:特定のテキストは使用せず、適宜プリントを配布する。
●参考文献:参考文献は講義中に随時紹介する。
2005年度演習T(天田ゼミ)報告書
「差別」と「抑圧」への抗い
――「差別」をめぐる言説の解読――
●2006年3月
目次
刊行にあたって
第一章 熊本におけるハンセン病差別事件
(塩山雄三、寺本昌史、中山紫、濱田一嘉)
第1節.本妙寺事件
第2節.藤本事件
第3節.黒髪校事件
第4節.宿泊拒否事件
第5節.まとめ
第二章 HIV・エイズ患者をとりまく差別の問題
(安達祥子、石川杏奈、秦澄江)
第1節 基本知識と差別の歴史
1.エイズとは
2.感染経路
3.感染からエイズの発症まで
4.治療法
第2節 HIV・エイズに対する差別の現状
1.差別の内容
2.差別や偏見がおこった原因
3.日本のHIV・エイズの差別に対する対策
第3節 世界と日本
第4節 課題とまとめ
第三章 部落問題
(上村紗代、高木美佐、中響子)
第1節 被差別部落の起源
1.被差別部落の歴史
2.古代賤民制の成立と解体
3.古代賤民の動揺と解体
4.中世非人身分の発生
5.近世被差別部落に組み込まれた社会階層
6.江戸時代の被差別部落民衆
第2節 職業について
1.企業の差別意識について
2.事件例
3.就労の不安定性
4.就業構造の変化
5.職業と産業
6.食肉産業の現状と課題
第3節 結婚と差別
1.結婚差別事件
2.身元調べ
3.まとめ
第四章 外国人の差別問題
(板井由妙、西田春代、境美智子、園田将博、高橋佳志)
第1節 在日コリアンの日本渡米の由来
1.底辺の労働力
2.強制連行
3.就職差別
第2節 在日コリアンの法的地位について
1.はじめに
2.国籍について
3.結婚について
4.参政権について
5.社会保障制度について
6.教育について
7.就職について
8.在日コリアンの在住資格の経緯
第3節 人種差別
1.東南アジアと日本のつながり
2.人種差別の歴史
3.人種差別撤廃条約について
第4節 在日外国人労働者問題と人権
1.はじめに
2.在日外国人とは誰か
3.不法就労と人権侵害
4.まとめ
第5節 まとめ
第五章 「ジェンダーフリー」――性別役割分業
(久永健地、加藤洋平、田中祝絵、久保寺美予、伊藤紗織)
第1節 現在の性別役割分業の実態
第2節 周囲の理解度
第3節 社会の対応――男性の育児と保育について
第4節 性別役割分業のこれからのあり方
【講義スケジュール】
第01回(04月11日) オリエンテーション、自己紹介、講義概要の説明、今年度の予定、情報教育センターや図書館の使い方について
第02回(04月18日) 各自の関心の研究テーマを発表/ブレインストーミング
第03回(04月25日) 全体討議(グループ分け作業)
第04回(05月02日) 全体討議(グループ分け作業)
第05回(05月09日) 各グループの調査計画の発表
第06回(05月16日) 各グループの調査計画の発表
第07回(05月23日) 各グループの調査計画の発表
◆休講 (05月30日) 創立記念日のため休講
第08回(06月06日) グループごとに調査方法の確定
第09回(06月13日) グループごとに調査方法の確定
第10回(06月20日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
第11回(06月27日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
第12回(07月04日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
第13回(07月11日) 各グループの調査報告(レジュメにて発表)
◆見学(**月**日) 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園を見学
◆見学(**月**日) 病院/介護療養型医療施設の見学
◆参加(**月**日) 熊本難病団体連絡協議会(熊難連)の方に話を聴く
◆参加(**月**日) 在宅にて医療サービスを利用する高齢者のお宅にて話を聴く
◆締切(08月**日) 入門演習報告書の原稿の最終締め切り
◆刊行(09月上旬) 入門演習報告書の完成・配布→秋学期に配布
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