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| ■102■ 報告. 「研究の遂行をめぐるいくつかの困難――葛藤・摩擦・亀裂・断絶・対立」 研究倫理を考える第3回 「コミュニケーションとしての研究の倫理」.2006年07月31日(月).16:30〜18:30.於:立命館大学創思館303/304. |
天田城介(AMADA Josuke)
配布資料作成:2000.07 最終更新日:2006.08
【研究会概要】
◆http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/2006/0709.htmからの引用
■立命館大学人間科学研究所 研究倫理ワーキング・グループ連続企画
研究倫理を考える
●第3回●
「コミュニケーションとしての研究の倫理」
日 時:2006年7月31日(月)16:30〜18:30
場 所:立命館大学衣笠キャンパス 創思館3F 創303・304
講 演 者: 望月昭氏(本学 応用人間科学研究科 教授)
「研究行動の機能から考える倫理――行動分析的対人援助学の立場から」
天田城介氏(本学 先端総合学術研究科 GP担当)
「研究の遂行をめぐるいくつかの困難――葛藤・摩擦・亀裂・断絶・対立」
海外事情紹介:大野カヤ氏(クラーク大学大学院生)
「アメリカにおける被験者募集の際の同意の取り方」
コメンテーター: サトウタツヤ氏(本学 文学部 教授)
中村正氏(本学 応用人間科学研究科 教授)
主催:立命館大学人間科学研究所
共催:立命館大学大学院先端総合学術研究科
立命館大学大学院応用人間科学研究科
科学研究費「患者主導型科学技術研究システム構築のための基盤的研究」(代表 松原洋子)
○お問い合わせ・申し込み先○
立命館大学人間科学研究所
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8358 FAX:075-465-8245
E-mail:ningen@st.ritsumei.ac.jp
HP:http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hs/hs_index.htm
○立命館大学衣笠キャンパス○
アクセスマップ(キャンパスマップにもリンクしています)
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/annai/profile/access/kinu_l.html
【当日配布資料】
研究の遂行をめぐるいくつかの困難――葛藤・摩擦・亀裂・断絶・対立
●天田城介
1.「調査協力者」における「利害」や「コンフリクト」をめぐって
■調査協力者とその家族との「利害」と「コンフリクト(葛藤・摩擦・亀裂・断絶・対立)」
・例えば、病や障害をもつ人とその家族との「利害」や「コンフリクト」を記述する場合
・例えば、夫から暴力を受けている女性とその夫との「利害」と「関係」を記述する場合
・例えば、子と親の「利害」や「コンフリクト」を記述する場合(親からも同意を得る場合)
■調査協力者と関係者・供給者との「利害」と「コンフリクト」
・例えば、組織内の「利害」や「コンフリクト」を記述することで被ってしまう調査協力者あるいは仲介した人たちの損失/不利益/居心地の悪さ/面倒さ
・例えば、医療・福祉・教育提供者との「利害」や「コンフリクト」を記述することで被ってしまう調査協力者の損失/不利益/居心地の悪さ/面倒さ
■調査協力者と研究者との「利害」と「コンフリクト」
・「調査協力者が語りたいこと」と「彼/女らの〈何か〉を記述したい研究者」との利害の相反
・ある組織や集団に所属する人たちの輻輳する意図・思惑・感情を只中で記述することの困難
※Aからは「こうだ!」と指摘され、Bからは「いや、こうだ!」と指摘/主張される場合
■供給者と研究者のあいだでの葛藤
・例えば、「供給者」でもありつつ、「研究者」としてもコミュニケーションに参与・関与する場合
(医療供給者として/福祉供給者として/教育供給者として/ボランティアとして…)
※供給者のあいだでの「利害」と「コンフリクト」を記述することをめぐる困難
⇒誰が誰に対してどのように説明をし、同意を得るか? どこまでいかに配慮するか?
⇒複雑に利害と感情が絡みあう状況にある調査協力者に「利益と損失」をいかに説明するか?
⇒報告にともなう予測に反した事態(予期せざる損失の結果)を、いつ、いかに説明するか?
⇒それはどのような時期・場所において、いかに説明をするべきであるのか?
⇒「研究の意義」や「介入」という行為を自らにおいていかに考えるか?
2.批判の立ち位置における調整
■調査協力者に批判的な位置に立つことをめぐって
・「そんなふうには言っていない!」という指摘/批判に対していかに答える/応えるか?
・「そんなふうに書くとは思わなかった!」という指摘/批判に対していかに応答するか/応答しないか?
■調査対象の団体・組織などに批判的な位置に立つことをめぐって
・「わざわざ調査に協力したのになんでこんなことを書くのか!」という指摘/批判に対して
・「そんな事態は誰も口にしていないのになぜそう言えるのか!」という指摘/批判に対して
■利害関係者(家族・供給者)などに批判的な位置に立つことをめぐって
・「あなたは何様のつもりでこんなことを書くのか!」という指摘/批判に対して
・「自らが実践しながら、その責任をどのように考えるのか!」という指摘/批判に対して
⇒調査・分析・記述・発表のそれぞれの状況において何を、どのようにすることが可能か?
3.研究倫理をいかに考え得るのか?
■「利害」と「コンフリクト」が生ずる場を記述することの醍醐味と困難
・このことの意味と位置価を明示的に語ること/記述すること(それでも困難な場合は?)
■調査協力者の「同意」の意思を明確に確認することが困難な場合の困難
・保護者や家族へ説明し、同意を得られればよいとは言えないが、そこでどう考えるか?
・同意と説明の場に「第三者」を介在させても完全に解決はしない。では、どうするか?
■研究対象の個人や組織が「なかったことにしたい現実」を記述することをめぐる困難
・錯綜/対立する意図・思惑・感情のもとで、それぞれの「利益と損失」をいかに説明するか?
・それはどのような時期・場所において、いかに説明をすることが可能か?
4.その手前でやるべきことのいくつか
■調査・分析・記述・発表を遂行する上での諸々の手続き
・調査協力者への説明と同意(テープ録音、トランスクリプトなどの説明を含む)
・調査協力者の個人情報・コピーした資料・録音テープ・文字化したデータなどの管理など
・調査・分析の段階における説明と同意(調査・分析の進め方についての共通了解)
・記述の段階における説明と同意(記述のありようなどの確認と調整)
・発表前の状況における説明と同意(情報の公開とその扱い方など)
■「研究の/と倫理」について考えておくこと
・研究も介入であり得ることについて考えておくこと
⇒「波風立てないこと」が必ずしもよいとは言えないが、ではどうするか?
⇒ただし、その手前でやるべきこともあること(「認識」「方法」「手続き」などについて)
・自らがどのような場所に立脚するのかについて考えておくこと
⇒「研究の意味」をどのように位置づけるかについて確認しておくこと
⇒一方で、どこに向かうかは必ずしも明確でない場合、どのように記述することが可能か?
・誰に/どこに向けて、いかに記述するのかについて考えておくこと(腹を括ること)
⇒自らの立脚する場所から誰に/どこに向けて、いかに記述するのかを常に自覚化すること
■組織的な対応の手前で
・「さしあたりできること(調整・対応可能な諸手続き)」などはやっておくこと
・自らを厳しく律することとは違った位相においてやるべきことをやっておくこと
【最低限読んでおくべきもの(ごく僅かのみ紹介)】
秋田喜代美・恒吉僚子・佐藤学編.2005.『教育研究のメソドロジー――学校参加型マインドへのいざない』東京大学出版会.
American Psychological Association.1992.Ethical Principles of Psychologists and Code of Conduct.富田正利・深澤道子訳.1996.『サイコロジストのための倫理綱領および行動規範』日本心理学会.
American Sociological Association.1999.Code of Ethics.http://www.asanet.org/galleries/default-file/Code%20of%20Ethics.pdf
日本発達心理学会監修.古澤頼雄・斉藤こずゑ・都筑学編.2000.『心理学・倫理ガイドブック――リサーチと臨床』有斐閣.
日本教育社会学会.2001.「学会研究倫理」 http://www.gakkai.ne.jp/jses/secretariat/ethics.html
日本パーソナリティ心理学会企画.安藤寿康・安藤典明編.2005.『事例に学ぶ心理学者のための研究倫理』ナカニシヤ出版.
日本社会学会編集委員会.1999.「社会学評論スタイルガイド」 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jss/jsr/JSRstyle.html
社会調査士資格認定機構.2003.「規定集」「倫理綱領」 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcbsr/kikou/rinri.pdf
※発表の内容は以下に掲載。
http://www.josukeamada.com/bk/bpp38.htm
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