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| ■005■ 辞典執筆 「オムツ外し」「国際高齢者年」「早発性痴呆」「百歳老人」「悠々自適」 「リタイアメント・コミュニティ」「老人医療費公費負担制度」「老衰」の8項目. 秋元美世・大島巌・芝野松次郎・藤村正之・森本佳樹・山縣文治編.『現代社会福祉辞典』有斐閣.2003年.(2001年6月執筆) |

天田城介(AMADA Josuke)
脱稿:2001.06 最終更新日:2004.04
※本ホームページの原稿は校正作業を行う前のものです。
■オムツ外し
それまで自力での排泄が困難という理由から着用していた/させられていた人々(特に成人や高齢者)のオムツを、介護者が意識的・計画的に取り組むことによって、オムツを使用する必要のない状態にすること、あるいはオムツを使用する人々を積極的に減少させようとする実践を指す。「オムツ外し運動」などはこうした取り組みを運動として展開したものである。現在ではオムツを外すか否かではなく、いかにして自立を支えるかが本質的な実践課題として理解されている。
◆参照項目 ケア、介護、介助、自立、排泄障害
■国際高齢者年
international year of older persons
国連の高齢者の人権を確立し、高齢を理由にした差別・不平等・権利侵害をなくすために制定された年(1999年)。1991年の国連総会で採択された「高齢者のための国連原則」が謳う、高齢者の自立、参加、ケア、自己実現、尊厳の確保という5つの理念を具体化した政策や計画や活動を各国で促進することを目的としている。日本でも総務省(総務庁)が中心となって関係省庁で様々な関連事業が企画・実施された。
◆参照項目 ケア、高齢化、高齢社会、参加、少子高齢社会、自己実現、自立、長寿社会
■早発性痴呆
dementia praecox
1896年、E.クレペリンは現在の精神分裂病をこのように名づけた。その後、1911年にE.ビューラーによって精神分裂病と命名されるまで使用された、いわば精神分裂病の“古称”である。クレペリンは、多くの場合思春期という「早期に発症」し、極めて多様な徴候や現象を呈するにもかかわらず、進行的経過を辿り、最終的には人格崩壊と欠陥の状態(=痴呆)に至るものと考え、躁うつ病に対立する病気として認識した。
◆参照項目 精神障害、精神分裂病、うつ病、痴呆
■百歳老人
centenarian
100歳あるいはそれ以上の高齢者を百歳老人ないしセンチナリアンと呼ぶ。現在百歳老人を対象に長寿要因や人間の限界寿命の解明を目的にした実証研究がなされているが、その背景には百歳老人が人間の到達し得る寿命の限界まで生存した人々であり、いわば限界寿命の適合モデルとして想定されているからと言える。2000年現在100歳以上の高齢者は13036人と年々増加しているものの、限界寿命に伸張は見られず120歳未満にとどまっている。
◆参照項目 加齢、後期高齢者、高齢社会、長寿社会
■悠々自適
定年や引退によって、あるいは子育てを終えて社会的責任から解放されることで、余裕をもって自分の望むままに充足した生活を送るような老後生活観を意味する言表。つまり、この言葉には「世間」の煩わしさからの解放や、心の趣くままに日々を過ごす晴耕雨読の余暇観が含意されている。また引退や定年を社会関係からの離脱としてではなく、経済的・身体的自立しつつそれまでの人生で囚われてきた生活観や人生観から離床する契機として肯定的に捉えている。
◆参照項目 加齢、高齢者、介護、自立、定年
■リタイアメント・コミュニティ
retirement community
経済的に自立した退職後の高齢者を対象とし、一定の区域内に病院やコミュニティセンター、ゴルフ場、図書館、農園などを配備した集住形態の居住環境の総称。特にアメリカ合衆国で発達し、気候の温暖な地域に計画主導的に建設されることが多い。最も代表的なものにアリゾナ州のサンシティがある。規模やサービス内容、運営方式や入居資格などは多様であるものの、総じて心身が自立している高齢者へのサービスが中心で在宅ケアサービスは不十分であることが多い。
◆参照項目 コミュニティ、自立、定年、地域福祉、有料老人ホーム
■老人医療費公費負担制度
1973年の老人福祉法の改正に伴い老人医療費公費負担制度が実施され、70才以上の高齢者と65才以上の寝たきり老人に対して医療保険における自己負担部分を全て公費で負担し、その医療費は無料化された。いわゆる老人医療費無料化である。この結果、高齢者の受診率は外来を中心に大幅に上昇しその医療費は7倍以上に達したため、1982年には老人保健法が制定され、翌年より再び高齢者に対して定額の自己負担が導入された。
◆参照項目 医療保障、公費負担医療制度、老人医療制度、老人医療費、老人保健法
■老衰
一般的に老いて身体の各機能が衰弱した状態を意味するが、生物学的には老化と同義的に使用される。また医療の世界ではもっぱら「老衰死」という言葉のみ用いられ、加齢とともに老衰死が死因の上位にくることが知られている。この場合、死因となった疾患を特定することが困難な高齢者の死因を単に指し示しており、この意味の「老衰」とは医学・医療の領域によって定義・分節され得ない状態に対して付与される言語なのである。
◆参照項目 エイジレス・セルフ、加齢、老い、介護、自立
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